【体験談あり】概日リズム睡眠障害の種類4つとその原因とは

メンタルヘルス
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今や国民の5人に1人が悩まされているという「睡眠障害」。

仕事や学校に行くのが辛かったり、生産性が上がらなかったり社会生活上いろいろ不都合が生じてきます。

睡眠障害にもいろいろありますが、今回は私も患ったことがある「概日リズム睡眠障害」について取り上げたいと思います。

概日リズム睡眠障害とは

概日リズム睡眠障害とは

昼夜のサイクルと体内時計のリズムが合わないため、1日の中で社会的に要求される、あるいは自ら望む時間帯に睡眠をとることができず、活動に困難をきたすような睡眠障害をいいます。

suimin.netより

という症状が出る睡眠障害のことを言います。

単なる昼夜逆転ではなく「1日の中で社会的に要求される」時間に活動できるかどうかが大きなポイントになってきます。

 

概日リズム睡眠障害の種類4つ

Gellinger / Pixabay

概日リズム睡眠障害には大きく分けて4タイプあります。

  • 交代勤務睡眠障害
  • 睡眠相後退症候群
  • 睡眠相前進症候群
  • 非24時間睡眠覚醒症候群

この章ではそれぞれを解説していきたいと思います。

交代勤務睡眠障害

勤務時間帯が変化(夜勤と日勤等)することにより、体内時計と勤務スケジュールが合わず、睡眠をはじめ精神・身体機能の障害がもたらされる症状のことを言います。

主な症状は夜間の不眠や日中の眠気、作業効率の低下、倦怠感や食欲不振等があらわれます。

典型的なものでは、夜間の勤務を終えて朝方から睡眠をとる際になかなか寝付けず、寝付いても何回も途中で目が覚めてしまうという症状があります。また起床後に疲労回復感があまり感じられず、さらに夜間の勤務時間帯に集中力の低下や作業効率の低下などが生じてしまいます。

睡眠相後退症候群

睡眠相後退症候群は、社会的生活を送るにふさわしい時刻に入眠および起床することが困難であり、多くの場合午前3時~6時くらいになってになってやっと寝付くことができます。

また、いったん眠ると昼過ぎまで目が覚めないという状態に陥ります。無理して起床すると眠気や強い倦怠感等の症状が見られます。

体内時計が遅れているため、睡眠が遅い時間帯の方にずれてしまうことが原因となります。

睡眠相前進症候群

夕方から眠くなり、起きていることができなくなり通常の社会生活より早く眠ってしまいます。また、それに伴い早朝に目が覚めてしまいます。

原因は睡眠相後退症候群と逆で、体内時計が進んでいるため、睡眠が早い時間帯の方にずれてしまいます。高齢者に多く見られる症状です。

非24時間睡眠覚醒症候群

寝付く時間・起きる時間が毎日1〜2時間ずつ遅れていくのが非24時間睡眠覚醒症候群です。

通常は朝の光を浴びることで体内時計がリセットされるのですが、非24時間睡眠覚醒症候群の場合、体内時計がリセットされないのが原因となります。

睡眠相後退症候群・睡眠相前進症候群・非24時間睡眠覚醒症候群の場合「メラトニン」というホルモン投与が治療法の第一選択肢として上げられますが、残念ながら日本ではサプリ等に配合することは禁止されているため、販売されておりません。

そのため、メラトニンを手に入れるにはインターネットで個人輸入して購入するしか方法はありません。

なお、メラトニンに代わる治療薬としては「ロゼレム」というものがあります。こちらは日本の医師から処方されることができる処方薬となります。

また、「高照度光療法」という治療法もありますが、高照度光療法は正しい指導・サポートを受けることが必要となってきます。しかし、日本ではまだまだ指導・サポートを出来る人が限られているのが実情です。

非24時間睡眠覚醒症候群になって

qimono / Pixabay

私は20代後半〜30代後半まで非24時間睡眠覚醒症候群に悩まされてきました。

そのため仕事もできなくなり(解雇されたりもしました)、午後から勤務できるアルバイトをしたり、シフトで夜勤のある業務についたりしていました。

シフトなので日勤に回されることも最初は多かったのですが、仕事を頑張り認められるようになってから夜勤希望を出すと、すんなり希望が通るようになり夜勤でなんとか生活費を稼ぐという方法にシフトさせていました。24時間営業の仕事(コンビニではありません)だったからこそできた方法だと思います。

しかしこの方法は治療としては適切な方法ではありません。あくまでも生活費を稼ぐための手段でしかなく、治療するにはやはりメラトニンやロゼレムを飲んで、一般的な社会生活の時間に寝て、起きることが重要だと私は思います。

事実、日勤に回されるようになってからは遅刻が増えたり、遅刻せずとも出社時間ギリギリに出社する等が増えましたし、また仕事もあまり捗らなくなってしまい、ついにはうつ病を発症し休職することになってしまいました。(後日「双極性障害」と再診断されましたがその話は別の記事を御覧ください)

双極性障害(躁うつ病)と診断されて感じたことと患者への接し方

休職中も非24時間睡眠覚醒症候群の症状は治まることなく、毎日起きる時間が違っており、また寝る時間は固定させようと毎日同じ時間にベッドに入ってもなかなか寝付けず、入眠時間を固定することもできませんでした。結局復職を何度か繰り返したものの治らず、この会社も退職することになりました。

そこで睡眠専門外来に通うことにし、睡眠日誌を1ヶ月つけ、診断された結果「非24時間睡眠覚醒症候群」であることがわかったのです。

そこからロゼレムという薬を処方され毎日同じ時間に飲むことで就寝時間が毎日ずれるという症状がまずは改善されていきました。(それでも入眠剤は欠かせませんでしたが)

睡眠相後退症候群になって

Emily_WillsPhotography / Pixabay

ロゼレムのおかげで明け方近くまで眠れないということはなくなりましたが、それでもやはり深夜2時頃までは眠れないという状況は続きました。

私にとっては深夜2時の壁が厚かったようです。

就寝時間が深夜2時に固定されてしまった私は再び午後出勤の仕事を選んでなんとか生活費を稼ぐ生活に戻ります。

睡眠専門外来の先生からはあまりいい顔はされませんでしたが、起きれない→遅刻を繰り返す→解雇のパターンで傷つくのは私なので、傷つかない方法を選びたかったんです。

そんな時、前から興味があったWEB関係の職業訓練校があることを見つけました。9時授業開始という私にとってはかなりハードルの高い学校でしたがやりたいことなら頑張れるかも!と一抹の期待を寄せて応募し、見事通うことが出来るようになりました。

そこから睡眠時間を早めるよう努力し、最初の1ヶ月は毎日9時に通うことができましたが、やはり病気には勝てず、遅刻する日が多くなってきました。それでもなんとか期間中通い続け、最終日を迎えたのでした。

この辺りから睡眠時間が遅いとは言え固定されるようになり、「非24時間睡眠覚醒症候群」から「睡眠相後退症候群」へと病名も変化していきました。

現在は何もなければ1時過ぎには眠れるようになり、起きる時間も「非24時間睡眠覚醒症候群」の時は午後3時とかだったのが午前9〜10時くらいまでに改善されてきました。

それでも「まっとうな」社会生活を送るにはまだまだあと2〜3時間は起床時間を早めないといけません。

現在も睡眠時間の調整は続いています。

終わりに

なりたくてなったわけではない睡眠障害。

ただ「眠れない(入眠困難)」という悩みも、睡眠専門外来がない時代には精神科や心療内科に行くしかなく、そこには睡眠専門の先生がいるわけでもなく、睡眠に特化した治療が受けられるまでに10年近く時間がかかりました。だから、なのか、症状の改善までに私はものすごく時間がかかっています。

もし今睡眠に悩んでいて、社会生活にも支障が出そうだなと思ったらぜひとも睡眠専門外来を受けてみてください。

社会生活が送れないことは自分から自信を奪っていきます。自信を奪われるとうつ病へと進行してしまうかもしれません。

そうなる前に速やかに治療を開始し、元の健康な体に戻ることを願ってやみません。

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