今や5人に1人が悩んでいるとも言われている「不眠」。
24時間社会になったからとも言われていますが、不眠症にならない人はなりませんよね。
不眠症になる人とならない人の違いとは一体なんなのでしょう。
今回は実際に不眠症を患っている私自身の体験談も交えながらお伝えしていきたいと思います。
不眠症とは
厚生労働省が開設している生活習慣病予防のための健康情報サイト「e-ヘルスネット」によると不眠症とは
入眠障害・中途覚醒・早朝覚醒・熟眠障害などの睡眠問題が1ヶ月以上続き、日中に倦怠感・意欲低下・集中力低下・食欲低下などの不調が出現する病気です。
引用:e-ヘルスネットより
と定義されています。
睡眠時間は問題ではありません。
日本人の睡眠時間は平均すると7時間程度と言われていますが、3時間の睡眠時間でも翌日の日中に不調などの問題がなければ不眠症ではありませんし、逆に10時間以上眠らないと寝たりないという人もいます。
不眠症は睡眠時間の問題ではなく「日中に不調が出現する」ことが問題になってきます。たとえ眠りが浅く感じられても日中の生活に支障がなければ不眠症とは診断されません。
不眠症になる原因
不眠症になる原因はさまざまですが、代表的なのは以下の4つになってきます。
- 睡眠環境
- 身体問題
- 心(精神的な問題)
- 生活習慣
1の「睡眠環境」は、例えば時差がある、部屋が暑すぎる、騒音問題がある、部屋が明るすぎるなど、睡眠に適さない環境による影響で不眠に陥ることを指します。
2の「身体問題」は、加齢や体の痛み、かゆみ、あるいは頻尿などといった身体機能が影響して不眠に陥ることを指します。
3の「心」は、悩みやイライラ、精神的ストレスを抱えていたり、睡眠に対するこだわりが強いと不眠の症状が出てきてしまいます。
4の「生活習慣」は、アルコールやニコチン、カフェイン等睡眠を阻害するものの摂取や運動不足などを指します。
また不眠症は上記の4つのうちどれか1つというわけではなく、2つ3つと複合的に絡んできて不眠症になってしまうこともあります。
原因はさまざまありますが、「睡眠(副交感神経)」と「覚醒(交感神経)」のバランスが乱れた時、不眠が起こるのです。
不眠症の種類
不眠症には4つの種類があり、主な症状は以下の通りです。
- 入眠障害(入眠困難)…布団に入ってもなかなか眠りにつけない(30分〜1時間以上)
- 中途覚醒…夜中に何度も目が覚める、また目が覚めるとすぐに眠れない
- 早朝覚醒…起床希望時刻やいつも起きる時間より2時間以上前に目が覚め、その後眠れない
- 熟眠障害…眠りが浅く、睡眠時間の割に熟睡した感じが得られない
特に中途覚醒は不眠の訴えの中でも多いと言われています。
また、早朝覚醒は高齢者に多く見られる症状です。
ちなみに私は入眠障害でした。
ひどい時は12時に布団に入って明け方6時7時まで眠れないなんてことも何度もありました。
当然、徹夜状態で仕事に行くことになり、パフォーマンスも悪かったです
不眠症改善のための対策
不眠症っぽいけど、病院に行くのはちょっと…と思っている方は以下の方法を試してみてください。
けれど、それでも不眠が改善しないようでしたら症状が固定化する前に早めに病院へ行くことをおすすめします。
就寝の1〜2時間前にお風呂に入る
眠気は身体の内部の温度(深部体温)が下がる時に出てきます。深部体温を下げるには、いったん深部体温を上げることが必要になってきます。
布団に入る1〜2時間前に入浴して深部体温を上げることにより、布団に入る頃にちょうど深部体温が下がり眠りにつきやすくなります。
寝る前にスマホやパソコン・テレビを見ない
スマホやパソコン・テレビなどの液晶画面が発するブルーライトには眠気を覚ます作用があります。
よく言われていることですが就寝の1時間くらい前以降は見ない・使わないようにしましょう。
照明を間接照明に変える
蛍光灯の明かりは眠気を妨げます。
就寝の1時間くらい前から徐々に明かりを落とし、間接照明などを活用して光の刺激を少なくしていきましょう。
音楽やアロマなどを活用してリラックスする
自分の好きな音楽(激しいのは控えてください)をかけたり、アロマを使ってゆったりする時間を作ってみましょう。
副交感神経が優位になり、リラックスして眠りにつきやすくなります。
不眠症の治療法
不眠症の治療には、薬を使う治療と薬を使わない治療があります。
薬を使わない治療法
睡眠衛生教育
眠れない原因が寝酒や寝る前のタバコなど、間違った睡眠習慣にある場合、睡眠の正しい知識を学び、適切な睡眠習慣を身につけるよう医師から睡眠衛生の指導を受ける治療法
認知行動療法
睡眠に対する誤った考え方や週間をアドバイスを受けながら修正していく治療法
薬を使う治療法(薬物療法)
現在使われている睡眠薬には3つのタイプの薬があります。
- 脳の活動を鎮めて眠りに導く薬
- 睡眠覚醒のリズムを整えて眠りに導く薬
- 脳の過剰な覚醒状態を抑えて眠りに導く薬
医師は患者それぞれの症状や不眠のタイプに合わせて、効果の長さで薬を選んだり、複数の薬を組み合わせたりして使い分けられています。
医師の指示にした以外正しく服用すれば不眠が解消し、快適な日常生活を送ることも夢ではありません。
不眠症はこじれる前に治療を始めることが大切です。放っておくと眠ることに対する不安やこだわりが強くなり、ますます眠れなくなるという悪循環に陥ります。
そうなると余計に不眠を悪化させることにも繋がりますので、医師とよく相談し、正しく薬を服用しましょう。
入眠障害体験談
私は上の方でもちらっと書いた通り、入眠障害で苦しみました。というか今も続いています。
私が睡眠で悩んでいた頃は、今のように睡眠に関する意識が社会的にあまり重要視されていない時期だったので、心療内科に相談に行った時も「眠れないだけでしょ」と医師に鼻で笑われ、睡眠薬すら出してもらえないなんてこともありました。
布団に入っても毎日1時間は絶対に眠れず、というか1時間で眠れたら早い方で、2時間3時間眠れないこともザラにありました。
しかも私の場合、眠れたら最後、今度は朝起きられないという問題もあったのです(これは後日「睡眠相後退症候群」であることが判明しました)。
ですから会社に遅刻をすることも多く、多くの人に迷惑と心配をかけました。そして解雇になったりもしました。
また、当時の仕事は時間に不規則で会社に泊まるようなことも多かったのですが、3日間徹夜して帰宅した後、身体はとても眠たがっているのですが頭が緊張しすぎて眠れないということもありました。
今考えるとめちゃくちゃな生活リズムが睡眠障害を引き起こしていたんだなぁと改めて思います。
さすがに遅刻が多くなってきた頃に改めて病院へ行って睡眠薬を出してもらったのですが、最初のうちは効いていていも飲み続けると薬に対する耐性がついて効きが悪くなるなんてこともありました。
また、出された睡眠薬が合わず、薬を飲んでも眠れないなんてことも…。
そうやっていろんな薬を試して、ようやく自分に合う薬が見つかり、今では薬を飲めば眠れるようになってきました。
しかし飲み忘れると眠れないのでまだ完全に治っているわけではなさそうです。
睡眠薬を飲んでいることに対する偏見を持っている人もいることも事実です。私の親もそうですから、その偏見がウザいと思う気持ちもよくわかります。
でも世間の目を恐れて不眠症をきちんと治療せずにいると困るのは自分です。
幸い、平成の初めの頃から比べると、世間もだいぶ不眠症に寛容になってきたように思います。
不眠症のうちに治さないとうつ病等に進行していく可能性もありますので(私がそうでした)、不眠で悩んでいる方は早め早めの治療を心がけてください。
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